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「そこに座って待っていて」 夏子はソファを指差して言った。 僕は言われたとおりにソファに腰を下ろした。 それから、夏子は僕の前にテレビのリモコンを差し出して、「ちょっと着替えてくるから適当にテレビでも見ていてね」と言った。 僕が頷くと、彼女はニッコリと笑って、別の部屋に行ってしまった。 僕は彼女に渡されたリモコンで、テレビの電源を入れた。 テレビではずいぶん前に見たことのあるドラマが再放送されていた。 特に面白くもないサスペンス・ドラマだ。 チャンネルを変えてもよかったのだけれど、僕はそのままにしておいた。 どうせ僕はチャンネルを変えたところで、その番組をじっと見ていることはできないだろう。 なぜなら僕は緊張しているからだ。
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