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教室はいたって普通。生徒の数は、約30人ほどだ。全国的に普通だ。何の統計か知らないけど。
「佐藤 大和です」
名字だけは普通だった。よくある名字1位である。
「あそこの席、空いてるから座って」
何故か業務的な口調で、見ればわかるだろ、みたいな言い方だった。ちょうどいいぐらいに、男女が分散した席の並びになっている。席に着くと、隣の席の生徒に声を掛けてきた。
「なあ、あたしのことわかる?」
わかるって、何を言ってるんだ。彼女が何を言ってるのか、わからなかった。
しかし、彼女の顔を輪郭、一重瞼にスッとした鼻筋を見て思い出した。
「奈知…? 奈知だろ?」
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