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「どうしたんだよ?」
って、何がだよ。そう言おうとした前に、奈知が口を開いた。
「いや、どうして戻ってきたのさ?」
ああ、なるほど。
色黒な肌が特徴的で、男勝りな口調の大黒奈知。彼女の言葉に納得したが、その質問の答えに対して、口を噤んでしまった。
「…うーん。何か悪かった」
「いや、大丈夫だ」
苦笑いでごまかした。奈知も空気を読んで、苦笑いをする。
今は話せない。話せるほどの覚悟がない。彼女に話すには、少し重い話になるからだ。なんて言い訳してるだけで、自分の心の弱さが原因なだけだ。
「そういえば、孝介元気?」
話題を変えようと、懐かしい友人たちの話を聞いた。
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