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眼が覚めるとそこは、見慣れた冷たい床の牢だった。
当然明るい照明も多くの大人も居なかった…
その瞬間俺は、手術が成功してしまったのだと悟った。
そして何処を改造されたのかも――…
残酷な神様は俺を救ってはくれなかったようだ。
俺に更に絶望を与え、奴は「精々、苦しんで生きろ」と言って嘲笑う姿が脳内にある気がして無性に腹が立った。
そして、体を起こそうとした時、身体に力を入れると僅かだったが右眼に違和感を感じた。
そこをふと触ってみると包帯でぐるぐると何重にも巻かれていた。
こんな事…何度目だろうと、苦笑しながら思うと、
「…気がついた?」
兄だと思われるの凛空(りく)が背後から心配そうに言った。
「…うん…。」
力なくそう返事をして凛空の方へ向いてみると…
「…あ…その眼…」
「…コレか?…今回の手術の目的は俺達の眼球を交換…何でだろうな。…今俺は、左にお前右に俺の眼が入っている…そんな感じだ。また…バカな事を…」
そう説明してくれた。
――ズバッと。
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