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竜大
「…ん…ん~…あっ…寝ちゃった…」
目を覚ますと少女はまだ眠っていた。
竜大
「よっぽど疲れてたんだなぁ…」
「ん……」
と、少女が目を覚ました。
竜大
「あっ…起きた?」
「ここは…?」
竜大
「僕の家だよ。君、あの後気絶したから…勝手に連れてきてごめんね」
「ううん…ありがとう」
そこで彼女は自分の自分の服が変わっていることに気付いて、竜大を見る。
竜大
「…え?…ちっ…違うよ!僕じゃないよ!母さんが着替えさせたんだよ!」
その慌てようを見て、少女は笑みを浮かべる。
竜大は少女が笑ったのを見て、少し安心する。
竜大
「そういえば、君名前は?」
「…天宮…奏よ。あなたは?」
竜大
「僕は北条 竜大。えっと…天宮ちゃんは…」
奏
「奏でいいわよ、私も竜大って呼ぶから」
奏は笑顔で言うと、竜大の顔は赤くなっていた。
竜大
「か…奏…は…何であんなところにいたの?」
竜大のその言葉に奏の表情は曇り、口を閉ざしてしまう。
竜大
「あっ…ごめん、言いたくないなら言わなくてもいいよ」
奏
「…ううん…竜大になら言えるわ…」
竜大は黙ってその言葉を聞く。
奏
「私の両親は……殺されたの…」
竜大はその発言に少し固まってしまう。
竜大
「え…?」
奏
「私を庇って…僅かな隙から私を逃がしてくれたの…」
重い空気がその場を包む。
竜大
「そんな…そんなことが…」
奏
「でも、行くあてもなくて…一週間さ迷ってあそこに倒れたの…そして…竜大が助けてくれた」
奏の目には少しばかり涙が浮かんでいた…必死に泣くのを堪えているのだろう。
竜大はそんな表情をしている奏を見て、こう切り出す。
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