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竜大
「じゃあ…ここにいなよ」
奏
「え…?」
竜大
「行くあてないんでしょ?だったらここにいなよ。僕じゃ頼りないかもしれないけど…僕は君の力になりたい」
悔しいが今出来ることはそれしかない…
そんなことを言われるとは思いもしなかった奏は…
奏
「いいの?」
竜大
「うん」
奏
「私はここにいてもいいの?」
竜大
「もちろん、母さんと父さんには僕から言うから心配しないで」
奏はこれは夢かと思った…しかし、竜大の笑顔ですぐに現実だと知る。
一度、自分の居場所を失った自分に再び居場所が出来た。
今はそれだけで十分だった…彼女の目から一筋の涙が頬をつたう…
竜大
「よろしくね、奏」
竜大は手を差し出す。
それを見た奏は迷わず竜大に抱き着いた。
竜大
「えっ…?」
奏は何も言わずに泣いた…確かな温もりを感じるように…竜大は何も言わずに抱き締めたのであった。
その光景をドアの隙間から見守る二人の影。
俊夜
「葵…ついにあの子にも一足早い春が来たよ…ってあいつ小一だろ…何だあの対応の良さは!?息子ながら驚きだ」
葵と呼ばれたのは竜大の母
葵
「バカなこと言ってないで早く準備するわよ」
俊夜
「奏ちゃんCawaii!食べちゃグゲルヘンバー!?」
葵
「…早くしなさい」
俊夜
「ハイィ!」
賑やか?な家族に一人の少女が加わった。
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