2人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたがそう願ったから」
『願ってなんかない』
「じゃあ、理想。こう有りたい、愛する人の望むものでいたい。私はそこから生まれた。あなたは私」
「私はあなたに嫉妬する」
『私はあなたに嫉妬する』
「ねぇ、一体どちらが本当のあなたなのかしら?それとも私なのかしら?ねぇ」
彼女は、くすりと笑った。
「いつか証明出来るまで、しばらく停戦してみません? きっと今より簡単な答えがあるわ」
私は、ナイフを投げ捨てた。
8月31日。洗面所にて。
私達は停戦する。
いつか証明できる、その日まで……。
今も鏡を覗けば、彼女は陽だまりみたいに笑ってる。
そして、こっそり囁くんだ。
――ねぇ、死んで
最初のコメントを投稿しよう!