日常DOLL

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「あなたがそう願ったから」 『願ってなんかない』 「じゃあ、理想。こう有りたい、愛する人の望むものでいたい。私はそこから生まれた。あなたは私」 「私はあなたに嫉妬する」 『私はあなたに嫉妬する』 「ねぇ、一体どちらが本当のあなたなのかしら?それとも私なのかしら?ねぇ」 彼女は、くすりと笑った。 「いつか証明出来るまで、しばらく停戦してみません? きっと今より簡単な答えがあるわ」 私は、ナイフを投げ捨てた。 8月31日。洗面所にて。 私達は停戦する。 いつか証明できる、その日まで……。 今も鏡を覗けば、彼女は陽だまりみたいに笑ってる。 そして、こっそり囁くんだ。 ――ねぇ、死んで
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