第10話『放たれる銃弾』

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 その言葉には余裕は全く感じられない。だが、楽しんでるようには思える。 「ほらほら。障害物がなくなってきたぞ。どうする? パイロットさんよぉ」  ウエルッシュ大尉は吠えると、さらに攻撃の手を強くした。  月城中尉は障害物から出ると、アサルトライフルを乱射した。訓練用弾は虚しくベフィーモスの装甲にはじかれる。装甲が厚すぎて訓練用弾による損傷判定すらできない。 「くそ! あの装甲はふざけすぎだろ!?」  ベフィーモスのレール・ガンがこちらを向いた。刹那、大地を砲撃音が揺らした。  先ほどまで紫電がいた場所は大きく抉られていた。 「…………」  月城中尉はしばしの間それを眺めて、 「本当に訓練用弾なのか!?」  叫びをかき消すように、バルカンとレール・ガンによる第2砲撃が行われた。アサルトライフルの銃弾はベフィーモス装甲に弾かれるか、かわされるだけで全く意味がない。しかも、砲撃が正確すぎて反撃するチャンスもない。 「あんまり使いたくないんだが……」  月城中尉は分子振動ソードを持つと、それをベフィーモスに向かって投げた。それを囮にして前に出ようとする。だが、 「甘いな!」  足の部分から2本のロッド状のものが分子振動ソードを弾いた。
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