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 始まりはほんの些細なことだった。  教科書でもなんでもいい、ページをめくるとすぐわかるのだが、正義や悪、そんなものは関係なく人の歴史は戦いの歴史である。  戦争、革命、紛争……それらは人同士の戦いではあるが、人外のモノが加わったとしても何ら変わりない。それがたとえ、神の使徒なのかもしれなくとも──  敵とは戦力差があった。しかも絶対的なまでの。それが人類に──いや、生きとし生ける者たちの世界に侵攻してきたのである。  敵──《天使》と呼ばれる故は皮肉なことに、2枚の白い羽があり外見は崇めるべき天使と酷似していたからだ。とはいっても全てが全て同じ外見をしているとは言えなく個体差があり、だいたい2mから8mクラスまでが存在しており、主に羽が2枚のモノを《下級3隊》4枚のモノを《中級3隊》いるかどうかはわからないが、6枚のモノを《上級3隊》と呼んでる。  その姿が初めて確認されたのは、今は廃墟となっている静岡県。  いつからそこにいたのかはわからないが、確かにその時そこにいたのだ。血と叫びと絶望が飛び交うその大地に。  それを皮切りに《天使》の天罰ともいえる侵攻が始まったのだった。
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