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やっぱり。気のくわねぇ野郎だ。ゲスだな。
「わかったわかった。それじゃぁ一仕事してくっか。『ベフィーモス』を出撃準備にしてくれ」
ウエルッシュ大尉はなぜか歴戦の貫禄のある不敵な笑みを浮かべた。
濃緑色の戦闘服に身を包み、無線兼鼓膜保護用の戦闘用ヘッドギアを頭につける。
空軍パイロットみたいにヘルメットなんていらない。これが基本的なLAパイロットの服装だ。
背中にある紫電のコクピットハッチを開けると月城はスライドしてきた操縦席に座った。すると、
「月城中尉、聞こえますか?」
技術班から通信が入ってきた。
「どうした?」
「現在、その紫電の性能はアメリカに技術を盗まれないために30パーセントほどダウンしていますので気をつけて下さい」
コンソールをいじってみた。確かに機動力以外の性能がダウンされている。だいたい旧式の水雲くらいの性能か。
「わかった。アメリカの旧型の相手でもしてやるよ」
普段の月城からは信じられないくらいに意気揚々と言うと通信を切ろうとした。だが、技術班の整備兵がそれにストップをかけた。
「気をつけて下さい。向こうの機体は見たこともないタイプです。かなり強そうな重装型です」
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