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月城は、「ほぅ」と、面白そうに目を細めた。
「重装備か……厄介だな」
「それと」
まだ何かあるみたいだ。整備兵は小さな、それも周りには聞こえないくらいの小さな声で、
「相手のパイロットはウエルッシュ大尉だと聞いています」
「ウエルッシュ?」
月城は眉をひそめた。あまり他国のパイロットを知らないからピンとこないのだ。
「ウエルッシュ・ロット・ワイラーですよ」
そこまでくればさすがに月城でもわかった。
「ワイラーだと!? アメリカのエースパイロットじゃないか!」
「らしいです」
月城は顎に手を当てて、なにやら考え込むと、
「ありがとう。それでは出撃する」
演習弾のはいったアサルトライフルをつかみ、紫電を演習相手のところへと移動させにいった。
さて、アメリカのエースパイロットの腕前をしかと見てやる。
「こちらアルファ1。潜入成功。軍は演習に関心が向いているみたいで護衛もかなり手薄だ」
「了解。成功を祈る」
「アルファ3」
「こちらアルファ3。アルファ2どうぞ」
「アルファ1から合図がありしだい第3ハンガーに突入せよ」
「了解」
第9話『相良演習基地』END
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