5人が本棚に入れています
本棚に追加
「サン、早く起きてきなさい」
「ふぁー、よく寝た。あ、今日もいい天気だー」
初めまして皆さん。私の名前はサン。いつもお母さんの声で起こされて私の一日は始まります。毎日特に変わった事も起きない平凡な日々。でも、私はそんな毎日が好きです。それなのにその日々はお母さんとお父さんの唐突な思い付きにより簡単に崩れ去ってしまいました。
「サン、ご飯を食べたら準備をしてね」
「準備って何の?」
「何って、魔王討伐の準備に決まってるじゃない」
「へ?」
「サンには今日から魔王討伐に行ってもらうからな」
「ええぇぇー」
「あはは、予想通りの反応ね」
「そうだねローズ。ギリギリまで秘密にしていたかいがあるリアクションだよ」
「ちょっと待ってよいったいどうゆうこと?」
紹介しておきます。たった今とんでもない事言い出した二人は私の両親です。予想通りの反応と言って笑っているのがお母さんのローズで、魔王討伐というすごいことを反応が楽しそうという理由だけで黙っていたのがお父さんのダンテです。
「どういうことってそのままの意味よ」
「そのままのって、何で私が魔王討伐に行かなきゃいけないの?」
「いや、最近魔物の活動が活発化してきていて、隣町に行くのですら大変なんだよ」
「そうそう。おかげでろくに遊びにも出かけられないのよね」
「そうそう。二ヶ月後にはシャニーズの年越しライブもあるのにこのままじゃ見に行けないんだよ」
両親はシャニーズに所属しているカンシャニセブンの大ファンなのです。
.
最初のコメントを投稿しよう!