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『こんな爽やかな日は日光浴に限る!』
学校に行く途中の近道に使う公園のベンチに一人の男が朝っぱらからベンチに横になり日光浴してた。
変わった人だなと思い通り過ぎようと思ったんだけど……。
サラサラの少し茶色かかった長めの髪に切れ長の黒く綺麗な瞳。
健康的に焼けた小麦色の肌。
少し筋肉質ですらりと伸びた手足。
そう。
彼はイケメンだったの。
ついついカッコイイ彼に見惚れちゃって……。
事の発端はここからだった。
『ん?
何か視線を感じると思ったら……』
あたしの視線に気づいた彼はゆっくりと体を起こしあたしの方を見る。
「えと……。
すみません!」
慌ててあたしは謝りその場を去ろうとした。
『待ってよ!』
彼はあたしの前にふわりと回り込んできた。
「!!」
この時あたしは気付いた。
彼はこの世には存在しない。
幽霊である事に……。
『君、俺の正体に気づいてるよね?
どうしてあんまり驚いていないの?
何かこんなの日常茶飯事みたいな顔してるけど?』
彼は次々とあたしに質問を投げかける。
こういう時は関わらない方がいい。
見えるとわかった時点で助けてもらえると思い付きまとってくるのが浮遊霊だという事をあたしは知っているから。
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