機械

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雪の中にたたずんでいたのは 闇の中救ってくれた君だった ずっと探していた面影 君は私に告げた 【さよなら】 目の前が真っ暗になった 必死に伸ばしていた手は 彼には届かずに消えていく 何時の日か偽ることに慣れた 自分が強がることに慣れた 彼はもうイナイ 私はまた機械に戻るだけ 彼は何時も私を思ってくれた 彼は私を励ましてくれた だから私は笑顔で送り出した 心配かけさせたくなかったから 最後まで謝っていた彼はもうイナイ 分かっているのに求めてしまう 私は自分を戒めていく 彼がイナイ今私は生きる価値がない それだけ彼を愛していた 別れの日が来ると理解していた筈なのに あまりにも早すぎる別れに 気持ちがついていってくれない・・・ もう彼はイナイ 私は何のために生きているの? 私は己を戒める 機械だった頃にしていた 生きている証を探して 無表情で痛みを感じず ご飯も食べないで何も思わない そうなっていく自分を止めてくれた 彼はもうイナクナッタ・・・ 私は一人 機械へと身を沈めていく そうなる前に差し出される彼女の手を 私は取っていいのだろうか・・・?
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