序章 彼女はいつも海を見つめていた。

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そんな二人の様子をマスターの剣さんも忙しそうに お客さんのオーダーをとる合間にボブも優しい目 で見守っていた。 「これってもしかしてもしかすると。」と 少し嬉しそうにボブがカウンターの剣に話した。 「ああ、最近刺激のなかったシンだ。 もしかしてもしかするかもな。」 楽しそうな笑い声とお酒に酔ってハイテンションなローカルの人達の話し声。 独特の癒しを感じることができるチャモロミュージック。 そんな世界に浸っていると那波の閉ざされた心の 氷壁もすこしずつ溶かされていく感じだった。 「もう、忘れなくちゃ。」 そう那波がつぶやくのをシンは大きな音量で流れる チャモロミュージックの中、はっきりと聞いてしまったシンであった。
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