第1章 きっかけは彼女の白い麦わら帽子

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 「ふぅっ、暑い。」 シンとのダンスで少し陽気になった那波はテキーラサンライズの入ったグラスを右手に持ち、ガーデンテラスになっている屋外にでて夜風に当たっていた。 甲高い、大音量の音楽も店の中よりも少し小さな音 で聞こえていた。 「大丈夫ですか。」 少し、テンションが高めになっている那波にシン が話しかけた。 「ええ、大丈夫よ。でも、こんなにはしゃいだのは 久しぶりだわ。ちょっとお酒の酔いが早いかも。」 そう言って、那波はシンのそばに顔を近づけた。 ふわっと甘い大人の香りがしてシンは思わずどぎまぎ してしまい、少し那波からキョリを置いた。 「シンくーんはカノジョいるよねぇー。」 その様子を見ていたづらっぽく話す那波だった。
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