第1章 きっかけは彼女の白い麦わら帽子

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「えっと・・あの。」 突然の那波の質問にしどろもどろになってしまう深 であった。 「あはは、顔赤いぞ、酔ってもないのに。」 楽しそうに那波は話した。 そんな那波を見ていつの間にか深もつられて笑っていた。 南国の夜風はそんなに冷たくないけどトロピカルモンスーンが近づいているこの時期のサイパンでは、夜風も強めで少し冷たかった。 でも空は澄み渡っていて南十字星が輝いていた。 そんな夜風が突然笑い合っている二人の前に少し強めに吹いた。 「あっ。」 あわてて那波はかぶっていた麦わら帽子に手をあてたが帽子は海の中に落ちてしまった。
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