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「ほぅ、やるね、若僧くんは。」
嬉しそうにお客さんのカクテルをシェイカーで作りながらつぶやく剣だった。
「シーン、僕の出番ないじゃんよぅ。」
深が海に飛び込んだ瞬間、足を止めたボブの表情も
嬉しそうだった。
「はい、大切な帽子なんでしょ、これ。」
びしょぬれになった深はバルコニーからガーデンテラスによじ登り那波の前で彼女の帽子を差し出した。
「うん、ありがとう、シンくん。」
那波は深にそっと抱きつき、深の頬に口づけした。
アメリカじゃお礼のキスは当たり前なのでいつもの
深なら驚かないのだが、那波に聞こえてしまったのではないかというくらい彼の心臓はどきどきしていた。
そう、彼女の甘い髪の香に包まれながら。
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