第1章 きっかけは彼女の白い麦わら帽子

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そんな出来事があってから数日後のこと。 那波が宿泊しているホテルのそばのいきつけのドーナツ屋さんへ朝食をとりに向かっている途中。 車が何台も行き交うビーチロードに赤いタンクの小型バイクに乗っている青年をみかけた。 「あっ!シン・・くん?」 カフェで働いている深とはかんじが違ったので一瞬 迷った那波であった。 「那波さーん、おはようございます。」 思わぬ所で那波に会ったので嬉しくて少しハイテンションな声をあげてしまう深。 「この辺で宿泊しているんですか、那波さん。 でもカフェまでは少し遠い気が。」 「ええ、「NEVER MIND」にはいつも歩いて行くの。」 と言いながらにこやかな表情の那波は 「海から吹く風が気持ちよく身体にうけて、太陽が海にキラキラ反射している風景を見ながら海沿いを歩いてカフェへ行くのが私の日課。」と話し、 「あっ、もちろん曇り空や雨の日も歩くけどね。」 とつけ加えて話した。
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