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「毎度のごひいきありがとうございます。」
バイクを道沿いに停め、ひときわ目立つ紫の半ヘルメットを脱いでから深は営業口調になって軽く那波に
会釈をした。
「やだぁー、改まっちゃって。私はあのカフェが好きだから毎日行くだけ。」
少し照れくさそうにする那波であった。
「思い出がいっぱいつまっているの・・。」
遠い目をしながら真っ青な空を見上げ那波は
言葉をつまらせた。
「そうですよね、今かぶっているその白い麦わら帽子のように。」
深もサングラスを外し、那波といっしょに空を見上げた。
少しの間二人の間には沈黙が訪れた。
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