序章 彼女はいつも海を見つめていた。

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「おっ!”アイネニー”だぞ、シン。」 ボブがグラスを拭きながら深に話しかけた。 いつもの常連客のデビッドさんが少しホロ酔い加減 で立ち上がり歌いだした。 その歌声に那波はうっとりしていた。 その那波のうっとりっした表情にうっとりしてしまう 深だった。 数人のカップルがステージの方まででてきて踊りだした。 歌の調子からいってチークダンスになっていた。 「シン、彼女をダンスに誘いなよ。」とボブが 深に言った。 「なーに言ってんの。僕らは労働中でしょうが。」 深は少し恥ずかしがりながらボブに言った。
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