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深はもちろん、マスターの優しさだということは
理解していた。しかし、そんなに自分と面識がない
那波がそれもよりによってチークダンスを承諾するとは思えなかったから。
「ええ、私でよければ。」
はにかんだ表情で那波は返事をした。
深の中で1%くらいしか予想できなかった返答を
那波がしたのだ。
「え・・・、えーーーーっ。」
「なーに、驚いているんだ、ほれっ、彼女が
踊ってくれるってさ。ここは俺がやるから。」
マスターの剣さんはそう言いながらカウンターの中に
入りピッチャーを握り締めて固まったままでいる深
からピッチャーを取り上げ、上手にビールサーバーから注ぎなおした。
「ほれほれ、シン、彼女をうまくリードして踊るんだぞ。」ボブも嬉しそうに深に話しかけながら深の背中を軽く2回たたいた。
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