ロマンチスト

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その後はと言うと、キョドりまくってる俺にヤンキー君は口元を緩め、ニヤッと笑った。 こいつ、本当にイケメンだな。ヤンキーじゃなかったらモテるのに。 ヤンキーがモテるという絶対的法則は川崎じゃ通用しないんだぜ。それは田舎だけなんだぜ!川崎はそんな田舎じゃないぜ!川崎最高ー! 「……俺も分からん」 「……はい?」 あれ?思わず聞き直しちゃうよね、これ。 するとヤンキー君は頭をポリポリ掻きながら、だるそうに丁寧に答えてくれた。 「俺一年だし、この部室もただの溜まり場で使ってるだけだから」 ぱ、パードン? 聞きましたか、皆さん。このドヤンキー君、僕と同じ一年生らしいですよ。ハハハ、参ったぜ。ジャリボーイ。 って、えぇぇぇ!? 嘘だろ!?もしくは年齢詐欺か留年だろ!明らかに俺と同い年には見えねえよ!! 「え…一年生?」 「だよ。つかお前も一年?」 なんてこったい~。 俺は今開けてはならない扉を開けてしまったような気分だぜ。
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