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マサキ君に一瞬でも尊敬の目を向けた自分が馬鹿でした。
マサキ君はなんと反則グッズ(釘バット、硬球)を持ちながら、普通に校内を歩いていきます。明らかに不審者です。
「お、あれは清原の車じゃねえか」
マサキ君はまるで獲物を見つけたかのように子供のような笑顔全開で硬球を投げる準備を始めました。
さすがにまずい。
僕は焦りました。
「やめろぉ!下手したら退学なんかじゃ済まないぞ!」
「いいから黙っとけ!」
マサキ君は僕の言葉に耳を貸さず、デタラメな大ぶりな投球モーションで左腕を思い切り振り抜いた!
もうダメだ!そう終わりを覚悟した時でした。
ポト…ポト…
マサキ君の投げたボールは幸いにも清原の車には届かず、一歩手前でバウンドをし、なんとか清原の車に当たらずに済みました。
ふぅ~。良かった。
多分こいつは野球やったことないんだろう。そんなデタラメな投げ方じゃ届くはずないよ。
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