ロマンチスト

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「あれぇ~!?おっかしいな~…」 マサキ君はまるで算数の解けない小学生のように、なぜボールが届かないか分からずじまいでした。 野球経験者である僕は少しばかり図に乗ってしまいました。 「ダメダメ。あんな投げ方じゃ上手く力はいらないし、球は真っ直ぐいかないよ」 「なんだ、知ったような口聞きやがって。お前野球経験者なのか?」 「まあね。あれぐらいの距離、僕が投げればイチコロさ」 こう見えても小学校からずっとセンターでレギュラー張っていた男さ。 "新丸子のレーザービーラー、小杉"と呼ばれた俺の強肩はハンパじゃないぜ。 「んじゃ投げろよ」 「………はい?」 おっと?この子は一体何を言っているのかな? 「そんなに言うんだったら、手本見せろよ」 や、やばい…。 つい調子に乗って変なこと言ってしまった…。 いやさすがに先生が苦労して働いて買った車をだよ?俺のレーザービームを放つのはちょっと…。
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