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人形がゆっくりとこちらを向く。
そして着物をずりずりと引きずりながら、此方へやってきた。
まっ……まさか画面から出てきたりしないよね!?
あたしは恐怖に脅えた。
すると人形は立ち止まりゆっくりと口を開く。
「……誰にしようかな……。まずは……」
人形は間違いなくあたしの方を見ていた。
どんな感情を秘めているのか、よみとれないおぞましい瞳で。
そして次に人形の視線は隣にいるお姉ちゃんの方へ。
「……あは。弥栄ちゃん、久しぶり……。あなたはあたしと妹を切り離した。だからお返ししてあげるね……。あなたにも同じ思いをさせてあげる……」
クスッと人形が笑う。
そしてその後、人形はゆっくりと画面から消えていった。
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