24302人が本棚に入れています
本棚に追加
な……なにこれ?
あたしはゴシゴシと目をこする。
見間違い?
いや、そんな訳ないよね……。
「……ねえ、お姉ちゃん。今のって……」
「やだ……うそっ、なっ……なんであいつが!? どうして!?」
お姉ちゃんは頭を抱え込み酷く混乱していた。
「霧島さ……弥栄! 落ち着け、とりあえず落ち着くんだ」
「いやっ! もう嫌よ……。私、ここにいたくない……。なんであいつがまた……」
お姉ちゃんと私はこの家で心霊体験を何度かしている。
だからあたしもお姉ちゃんの気持ちはよく分かるのだ。
とりあえずあたし達はお姉ちゃんが落ち着くのを待った。
30分ほど経過した時。
お姉ちゃんは落ち着いてきたらしく、俯けていた顔をゆっくりと上げた。
そして何度か躊躇う素振りを見せつつ口を開く。
「……詩穂、ごめんね。私のせいだ。次に人形に狙われるのはきっと詩穂なの。……ごめんなさい」
「えっ……」
お姉ちゃんのその言葉を聞いて大きな衝撃が走った。
次に狙われるのは……
あたし?
最初のコメントを投稿しよう!