何も変わらない筈だった日常。

9/17
前へ
/51ページ
次へ
「うむ、丁度いい……。 あ、父上。今日こそ外出許可を……」 甘いスクランブルエッグに舌づつみを打ちながら、今日もいつもと同じ願いを口にする。 「駄目だ。」 結果はわかってはいたが…外に出たいという申し出を、父に何度しただろう。 毎回却下され、退屈に城の中で過ごすことになる。 「……わかりました。」 父には逆らえるはずもなく、エステルは肩をすくめて溜息をついた。 城をでれるといえば、どこかの国や村を襲撃する時位だろうか。 最近は、そんな気配もなく外を探索に行かせている双子の使用人が持ち帰る物を待つしかない、暇つぶしに。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加