何も変わらない筈だった日常。

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大きな窓から差し込む光で目を覚ましたエステルは、ゆっくり体を起こして窓の方を向いた。 今日も綺麗な青空、何も変わらない。 「……退屈だ。」 人間界に出てからはそれなりに楽しい日々が待っている。 そう思っていたのだが、忘れていたのが己の身分…… 自由に外へ出ることなど許されるはずもなく、楽しみといえば自分の使用人を弄ってみたり、彼女達が持ち帰ってきた品を見たりすること位だ。 「エステル様、失礼します。」 丁寧にノックをした後、一人の女性が部屋に入ってくる。 ブロンドの髪に青い瞳、エステルの食事の世話をしているリリアだ。
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