Une main de l'aide

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 リコリスは燃やした。  切って燃やし、殺した。人を攻撃するたびに、昔の感覚が戻ってくる。確実に相手が死ぬだけの力を使って、一撃でしとめる。  そして、ついに“隊長”とよばれていた男と対峙するに至ったのだ。 「なるほど。北の大都市にいた死神か。あの国が滅んだから、今度は町でもつぶしにきたのか」  皮肉めいた言葉を吐きつけた男。リコリスは表情一つ動かさずに、剣を握りなおす。 「違う。貴様等がこの町をつぶそうとするから阻止したのみだ」  剣についた血あぶらを振り切り、リコリスは構える。 「ふ、はっ、ははははっ! 阻止だと!? おい、お前。周りを見ろ。地面は抉れ、建物は吹き飛び、愉快な火の海は度を過ぎて地獄だ」  そういわれても、リコリスは一切動じなかった。男は楽しげに言葉を紡ぐ。 「これではどちらが破壊者かわからんなぁ!」  刹那、ガキィンという音と爆発音が響いた。リコリスが攻撃し、それを男が防いだのだ。 「破壊者は貴様等だ」 「何をぬかす。貴様は破壊しかできない化け物だ。自らを見誤るな。貴様は正義の味方などにはなれないのだよ」  男が一歩前へ出る。同じようにリコリスも前へ出た。  
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