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人生で初めて絶望したのは四歳の時だ。
父さんが病気で死んだせいで母さんは精神的にかなり不安定な状態になってしまった。
当然のごとく、母さんは当然父さんの代わりを求めた。
その結果、母さんは男を連れ込むようになり家でも孤立することが多くなった。
それだけならまだよかったかもしれない。
だけど、母さんが連れてきた男は何もかもが自分の思い通りに進まないと気が済まない、そんな奴だった。
外見は覚えてない。
気に入らないことがあると、あいつは母さんは当然のこと次第に俺にまで手を上げるようになっていった。
まぁ、こんなことは世間でもよくあることだ。
俺は多くがするように、ただひたすらに耐えた。
泣き叫ぶこともなく、ただごめんなさいごめんなさいと呪文のようにずっと呟いていれば、そいつは次第に飽きて暴力をやめる。
母さんは俺が殴られている時はいつも傍観しているだけだったが、そんなにあんな男と別れたくなかったのだろうか。
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