- ＣｏＮＱｕｉＳＴａＤｏＲ -

1st. La herida

ずっとこんな日々が続いていくのか、と自分の未来に絶望したこともあったが、そんな生活は自分が思っていたよりも早く終わってしまった。

理由は簡単、あの二人が覚醒剤に手を出して警察に捕まった。

ただそれだけだ。

今思うとここまで典型的な展開が現実にあるんだな、とむしろ笑えてくる。

とにかく、俺の悪夢は面白いほどにあっさりと終わりを告げたわけだ。

幸いにも祖父母 ―――もちろん父方の方だが――― は二人ともピンピンしてたので、俺はそっちに引き取られることになった。

祖父母宅は決して裕福ではなかったが二人とも俺にはよくしてくれたので、少なくとも母親と暮らしていた時より俺は幸せだった。

残念ながら二人とも何年か前に病気で死んでしまったが、今でも爺さんと婆さんには感謝している。