5人が本棚に入れています
本棚に追加
「いつもご贔屓、有難う。お店の外でも会いません?」
ユキはタエに聞こえるように賢治を誘惑している。タエは一瞬硬直し賢治の返事に耳を澄ませた。
「良いよ」
賢治は無表情のままユキの誘いを受け入れた。タエは胸の奥を締め付けられ苦しくなった。
「じゃあ今夜北街の『湯川屋』は?」
北街の『湯川屋』は居酒屋の看板を掛けた連れ込み宿として有名な店だ。
「8時頃になるが?」
「待ってるわ。2人で飲みましょう」
ユキが勝ち誇った顔でタエの横を通り店の奥に行った。
最初のコメントを投稿しよう!