4人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
前編
「けーたっ」
私は幼なじみの名前を呼ぶ。
「さり、どうしたよ?・・・あー教科書??」
圭汰と沙里奈は家が隣同士。親同士も仲が良く、兄妹同然に育ってきた。
「そう~っ。数学忘れちゃって。今日、日比谷先生なの!!」
沙里奈は忘れ物が多い。現に、こうして数学の教科書を忘れたわけだが・・・。
そういうとき、すぐに圭汰を頼る。だから、沙里奈を見るだけで何用か分かるわけだ。
ちなみに「日比谷先生」とは、この聖城学校で1番恐い先生である・・・。
「ほい、これで3日連続な。」
「ははっありがとうっ!!じゃぁまたね!!!」
教科書を受け取ると、沙里奈は急いで5組へと戻る。
最初のコメントを投稿しよう!