前編

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前編

「けーたっ」 私は幼なじみの名前を呼ぶ。 「さり、どうしたよ?・・・あー教科書??」 圭汰と沙里奈は家が隣同士。親同士も仲が良く、兄妹同然に育ってきた。 「そう~っ。数学忘れちゃって。今日、日比谷先生なの!!」 沙里奈は忘れ物が多い。現に、こうして数学の教科書を忘れたわけだが・・・。 そういうとき、すぐに圭汰を頼る。だから、沙里奈を見るだけで何用か分かるわけだ。 ちなみに「日比谷先生」とは、この聖城学校で1番恐い先生である・・・。 「ほい、これで3日連続な。」 「ははっありがとうっ!!じゃぁまたね!!!」 教科書を受け取ると、沙里奈は急いで5組へと戻る。
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