後編

4/12
前へ
/19ページ
次へ
「そっか・・・じゃぁ、3日も私がいないの気づかなかったんだ。」 「ごめん。でも、聞いたら心配になっちゃって。」 そんな言い訳いらない・・・。来てくれない方が良かった。 「それで・・・おばさんから聞いた。さりが・・・死んじゃう事。」 「え・・・?」 私が死ぬ?でも、お母さんはそんなこと・・・。そっか、死ねるんだ。 「あ、・・言っちゃマズかった?ごめん。聞いて・・・なかったんだ。」 「うん、でも教えてくれてありがとう。聞けて良かった。あとどれくらいなの?」 死ねる・・・どんなに望んだことだろうか。 「あの日」以来、生きることが苦じゃなかったことがない。 「半年・・・。」 半年・・・8月か。 「じゃぁもう・・・秋を見れないんだ・・・私。」 「さり・・・。」 それから沈黙が続き、圭汰は「また来る」と言って帰っていった。 正直、来て欲しくはなかった。でも・・・来てくれて、嬉しかった。 また・・・来てくれる。私のために。そう考えるだけで嬉しかった。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加