後編

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10年後 8月16日 「真狸、早くしろよ。」 清水圭汰 26歳 小学校教師 「いつも圭汰のが遅いくせに・・・」 清水真狸 26歳 専業主婦 「パパ、きょうはどこにいくの?」 清水沙里奈 3歳 「今日はね、パパの大切な人が亡くなった日なんだ。」 「ママよりたいせつ?」 清水洋介 3歳 「どうだろう・・・そうかもしれないね。」 圭汰と真狸は3年前、無事結婚。双子の男女を出産。 そして、その双子に「沙里奈」と「洋介」と名付けた。 「もう・・・10年経つんだな。昨日まで、病院に通ってた気分だ。」 沙里奈の病死、洋介の事故死から今日で10年。 「私も一度くらいお見舞いに行けば良かった・・・かな。」 「あぁ・・・きっと喜んださ。」 (なぁ・・・さり・・・・・。) 見上げた空に ぽかぽか太陽 心地よい風に 誘われるように 1つの雲を見つける  仲良く並んだ 双子雲 まるであの2人のように・・・ 今 雲が笑った そんな気がした
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