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3ヶ月前・・・
圭汰と沙里奈は付き合っていた。
8月16日それは丁度付き合って1年になる大切な記念日だった。
「けーたの大好きなチョコケーキ!我ながら上出来っ。」
沙里奈は鼻歌混じりに圭汰が来るのを楽しみにしていた。
しかし・・・その日圭汰は来なかった。
日にちを間違えたのかと思って電話をするが繋がらない。
結局、夏休みの間一度も圭汰と連絡はとれなかった。
始業式が終わり、HRが終わると同時に2組に行ったが、圭汰は早々と帰ったと言われた。
「どうしたんだろう・・・けーた・・・。」
その日、家に行ってみたが、圭汰は出てきてくれなかった。
それから数日経ち、ようやく圭汰を捕まえて話を聞くことができた。
「・・・ごめん、別れよう。やっぱさりは妹みたいなモノで。・・・ごめん。」
やっと交わすことが出来た会話。しかしそれは、あまりに辛い会話だった。
「なんで・・・。」
沙里奈にはそれ以上の言葉を発することはできなかった。
涙が溢れ・・・流れ続けた。
「ごめん。・・・他に好きなヤツが出来た。まだ片思いだけど・・・その子が好きなんだ。」
圭汰は謝り続けた。そして・・・立ち去っていった。
それからしばらくして、圭汰と沙里奈は普通に話せる仲に戻っていった。
沙里奈はまだ圭汰が好きだった。忘れられなかった。
でも、その気持ちを殺して、圭汰の隣にいることを選んだ。幼なじみとして。
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