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それから沙里奈の生活は狂っていった。
朝は起きてきたと思ったら朝ご飯も食べずそのまま学校へ。
帰りは10時過ぎで帰ってきたと思ったら部屋に直行。
夜中の3時に部屋から出てきて風呂に入ったり、ご飯を食べたり。
親にカウンセリングに連れて行かれたりもしたが、効果はなかった。
圭汰も・・・1度も来てくれなかった。
もう自分のこと心配してないのかと考えたら・・・また涙があふれ出した。
そんな生活が何ヶ月も続いた。年もまたぎ、月も2月になっていた。
「・・・・・・。」
その日、沙里奈はいつものように部屋から直行で家を出た。
しかし、目の前には圭汰と真狸。一緒に登校・・・。
昨日まで、自分が真狸のいる位置にいたような感覚。
沙里奈は無意識に家に入っていた。
「・・・けーた・・・。」
止まったはずの涙がまた頬を濡らし始める。
「沙里奈・・・?どうしたの??」
心配した母が沙里奈に声をかける。
「いやぁ・・・・。」
母の差し出した手を振り払い、階段を上ろうとする。
・・・しかし、階段の真ん中ぐらいに来たときだった。
「(ぐらっ)・・・あ・・・」
沙里奈は胸の痛みと、貧血のような感覚を起こし、そのまま階段から落ちた。
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