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突然の出来事に驚いていた人達はトラックが逃げると、我に帰り、裕や親子に駆け寄ったり、携帯電話で救急車を呼んだりしていた。
男性「君、大丈夫かね。君!!」
男性が裕に呼び掛ける。裕は頭から大量の血を流し、服もズタボロになっていた。
男子生徒「なぁ、あの人、生徒会長の蒼月先輩じゃないか!?」
女子生徒「そうよ。会長大丈夫ですか!?」
大人だけでなく、登校中の生徒も裕に駆け寄り、裕に呼び掛ける。
裕(・・・ははは、ヤバイな。・・・皆の声が聞こえないや。こりゃもう助からないな。・・・俺、死ぬのか。)
だが、今の裕には皆の声が聞こえておらず、皆が必死に自分に呼び掛けている事だけは、分かっていた。
裕(まぁ、死ぬ前に・・・人を助ける事が出来たから・・・いいや。・・・あの親子は無事みたいだし。)
裕はゆっくりと首を動かし、親子を見る。親子には外傷はなく、少し体を擦りむいた位の怪我しかなかった。
(・・・にしても、親子を庇って死ぬって、俺は『龍騎』の・・・『東條』か・・・・・・・・・)
そこで裕の意識は無くなる。それと同時に裕の目からも光が亡くなり、心臓の鼓動も止まった。
蒼月裕、18歳と言う若さでこの世を去った。
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