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序章/表と裏
----死人の体。
憎しみを宿し。
恨むのは己のみ。
怒りを力にかえ。
彼の行動は理解されない。
どんな時も彼は独り。
孤独には何も感じず。
血は滴り、情はない。
故に彼の心は死人同然。
夜に咲く花のように。
天高く舞い上がれ。
ここに心、降臨す。
-------。
----ふと重い瞼を開けると朝日が目を焼くように差し込む。段々と近づいてくる足音。
そしてその足音の主がドアを開けた瞬間、俺は冬の外気を感じ取った。
「おはようございます、お兄様」と、声が聞こえた。
「おはよう、姫歌<ヒメカ>」と眠気の覚めきっていない瞼を擦りながら返事をする。
「お兄様、時間はまだ余裕ですけど、早めに起きておかないとお姉様が来て怒られますよ?」
「あ....ヤベ。そうだったな。っと....起こしてくれてサンキュな。」
「別に構いません、実際いつもはお兄様のほうが起床時間は早いのですからたまにしか出来ませんし」....何故か嬉しそうな姫歌。
「でもそうでもないような.......最悪は姉貴に起こされた事もあったけど......。」と寝起きで頭の回らないまま考え事をしたりしてみた。
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