序章/表と裏

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....にしても、散らかってるよな....俺の部屋。 金属や混ぜ混んだ液体。 その他にも様々な道具や実験用具などがあちらこちらにバラバラと散らかっている。 だがこれが俺----七夜幸都にとっての部屋といえるのかもしれない。 綺麗に掃除されていて、広々としている所はなんだか気に食わないし、第一性に合わない。 俺にはこんなバラバラと散らばっているほうがなんだか自然と落ち着く。 姉にはガラクタだの、異物だの言われるが俺はそうとは思えない。 「いつか何かに使えるかもしれない。」そういって姉の意見を批判した。 着替えを終えると姫歌と一緒にリビングに向かった。 姫歌は名字の通り実際の妹ではない、が。幼い頃に両親を原因不明の事故で無くしそれ以来、ほとんど俺の家に住むようになった。 姫歌はまだ中学3年生。 だがこれでも立派な柊谷家当主なのだ。 中学生とは思えない礼儀正しさやしっかりしている所は正直俺も見習うべき所なのだろうと毎日のように思う。 七夜家と柊谷家は国際的にも有名な魔術一家で、これは前当主より現当主にしか受け継がれない秘密なのである。
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