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「よっ
久々じゃん
元気してた?」
「慰めて」
「………
、いきなりだなぁ」
泣きそうな僕をネオンが誤魔化した。
そんな僕をやさしく嘲笑ってキスをくれた。
あぁ、この唇が林先生ならば。
駅前のサンタクロースがいやしくこちらを見ていた。
サンタクロースを通り過ぎ、そのまま建物に入った。
互いに思っていることは同じなので楽でいい。
余計なことはせず、すぐシャワーを浴びてベッドにねころんだ。
先生、先生……
あなたはこんな僕の気持ちに気付いてさえいないんだろう。
この、僕を抱く腕はあなたじゃない。
そう思うと、吐き気さえ覚えるんだ。
「目ぇ閉じて、
好きなヤツのことでも思ってろ」
「……っ、
ごめん…っ」
やさしく、やさしく包むみたいに。
この腕は先生の、この舌は先生の、そう錯覚するたび
自分を嫌いになった。
何度も謝って、自分を責めた。
興奮を誘うような妖しい証明。
果てても、飛べるはずの頭はどんどん冴えて。
ぐちゃぐちゃなわだかまりは増していく一方だった。
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