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「あの、彼をどうするつもりですか!? 人斬り以蔵を!!」
まさか土方さんから話を切り出してくれるとは思わなくてびっくりしたけど、迷ってる時間はない。
多分今土方さん達が私を相手に出来る時間があるのは、原田さん達の報告を待つしかないから。もしその報告が入れば─
嫌な予感で心が飲み込まれそうになるのを、必死に堪えながら土方さんの言葉を待った。
「人斬り以蔵は新撰組の敵だ、そんな奴をどうしようとお前には関係ないだろ。…それともお前は奴と関係があるのか?」
─ドクン
「どうした?何か言ってみろ。」
土方さんの鋭い眼差しと責め立てる声色が容赦なく私に向けられる。怖い怖い怖い……でも─
「はは そんなだから俳句も下手くそなんですよ。」
「…あ゙?」
地雷を踏んだのか、土方さんの眉間の皺が濃くなった。
「じゃあゲームして私が勝ったら、どうするつもりか教えてくださいね?」
「げ…?」
「勝負のことですよ。これから私が言うことに対して、全て『いいえ』で答えてください。じゃあ、始めますよ?」
「…ああ。」
諦めたようにそう土方さんは呟いた。…でも残念…
「はい土方さんの負け♪負けた人は罰ゲーム─」
─ドスッ
「ぐっ!!う…ゲホゲホ!!」
私の握り拳は吸い込まれるように土方さんの腹部に入る。その衝撃でグラリと彼の体は揺れたが、何とか堪えたようだった。
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