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「でも、あいつらが生きてて本当に良かった。…俺、一度若いときに切腹したんだ 死ななかったけど。でもその時死ななくてすげー良かったって本気で思える、生きてるから仲間と馬鹿やったり一緒に闘えたり出来るんだからな。」
原田さんの言いたいことはよく分かる。そしてそう話す彼は本当に強いと思う。
「どうした?暗い顔して、何かあったのか?」
……なのに私は
何度も何度もぐちぐちぐちぐちと──
「おい、あーいちゃん?」
ははは、腹が立ってきた…
───バキッ!!
何かが折れたような音と共に、右頬に痺れるような痛みが走る…
「大丈夫か!?どうして自分を殴ったりなんか─」
「ははは!!悪霊退散ならぬ邪念退散だぁぁ!!」
「…………」
大丈夫、ヤケになんかなってないよ?
それよりも新しい技が出来たな。この技は頭を一瞬空にし全てを忘れたい方におすすめです……って
「なに宣伝してるのよ!!今は原田さんが─」
「わははははっ!!!!」
……………え?
「ははっ、悪ぃな。顔がころころ変わるし、いきなり自分をぶん殴るし…最高だよお前。」
涙を浮かべながら爆笑する原田さんが、私は意外すぎて呆然としてしまった。……でも笑ってる顔が見れて良かった。
「あ、愛ちゃん悪いけど新八の隊士達に茶を淹れてきてやってくれないか?ここまでこいつらをおぶってもらったから……お願い出来るか?」
私は断る理由もないので、頼み通りお茶を淹れにいくことにした。けれど部屋を出ようとした時、原田さんが私を呼び止める。
「もう1人…お茶を持っていって欲しい人物がいるんだが……
その人は─」
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