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「総司に斎藤君、こんな所で何をしてるのですか?」
「山南さん!! 愛ちゃんを探してるんですよ。僕の勘だとこの辺りのはずなんだけど…山南さんは見てませんか?」
……沖田さんの勘、無駄に凄いなぁ。
私は山南さんの部屋の中で気配を消して、3人の会話を聞いていた。助け船と山南さんは言ったから、きっと助けてくれるんだと思う……。
「さぁ?私は見ていませんが、斎藤君も雪原さんを?」
「はい、お夏さんに頼まれて。私もこの辺りにいそうだと思い探していました。」
斎藤さんもかいっ!!
天然のくせに沖田さん同様無駄に勘いいとか─
「ん?今誰かに悪口を言われた気がする。」
………エスパーですか、あなたは。
もう突っ込むのはやめとこう、キリがないよ…。
「で、2人して雪原さんの取り合いですか? それでは永倉君と変わりませんね。関係は平行線のまま、雪原さんは他の男に取られますよ。」
「「………どうしたらいいんですか?」」
「そうですね、まず一つ目に迫っていくのは感心しません。少し物足りないくらいでいくのですよ、そうすれば物足りないから向こうから来るはずです。」
………どうして私を取り合う必要があるんだろ?というか取り合ってたか?けれど私の考えは伝わらず(当たり前)、またまた話は進んでいく─
「なるほど、さすが総長。勉強になります。」
「えー…、めんどくさいこと嫌いなんだけどなぁ?」
「なら総司はしなかったらいい。私だけがする。」
「………それはやだ。」
私は2人の考え自体やだ。
「ふふ、では2人とも部屋に戻っているといい。きっと雪原さんから何か話がくると思いますよ。」
山南さんの言葉を聞き、2人は信じられないほど素直に立ち去っていく。山南さんはそんな2人を見送った後、私にお夏さんの元へ行くようにと話してくれた。
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