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あれから何日過ぎたかな?いつの間にか年も明け、1865年になり平和な毎日が続いている。
例えばお雪さんとお梅ちゃんのホモ…いや男色探し。表向きは原田さんや永倉さん達の隊のお世話で始まったけど、その裏でのもの凄い調査はある意味トラウマ。でも既に何人も見つけているから凄いと思う…。
あとは斎藤さんと稽古したり、山崎さんのドS稽古…。あ、山南さんの部屋の掃除もしてほぼ毎日遊びに行っている。
あとはー…
──ガンッ!!
…………いっ
「痛っ!!?」
いきなり頭部に鋭い痛みが走り、衝撃で座り込む。何が起きたか分からなくて、余計頭が痛い。
「ぼーっとせずに、ちゃんと働きやがれ!!ただでさえ忙しいっつーのによ。」
「……土方さん、ぐーで殴りましたね? か弱い女の子になんてことするんですかっ!?」
真後ろで数冊の書物を持った土方さんが、苛ついた表情で私を見下ろす。まじでムカつく!!!
「あ゛?か弱い女は大声を出したりしねーよ。それに何十冊も書物を持てるお前は女じゃねぇ、熊だ。」
「はぁ?じゃあ男のくせに数冊しか持てない馬鹿三さんは、ハエですよ ハ・エ!!」
「なんだとこらぁ!!!?」
鬼の形相へと変わった土方さんを、私はきつく睨み付ける。このところこんな喧嘩ばかりで、さすがに鬼の形相にも慣れてきていた。……え?何故かって?
「歳!!おなご相手にその言い方は止めなさい。それにか弱いおなごにそれほど持たせるなんて、男子としてどうかと思うが。」
「かっちゃん!!どうしてこいつの味方するんだよ!?」
いつからいたのか、腕を組み怖い顔をした近藤さんが後ろに立っていた。土方さんの鬼の形相は、近藤さんの前では一瞬で消える。
「おなごに優しくするのは当たり前だろ。 雪原君、すまないなぁ、歳も悪気がある訳じゃないんだ 分かってやってくれ。」
「あ……はい。」
実はあれから土方さんの仕事の手伝いをするようになった。手伝いと言っても雑用係なんだけど…
「歳はな、君のことを誰よりも信頼してるんだよ。それと同時に心配もしてる、だからこそ側に置いておこうとする。 きっと2人はいい相棒になるだろうな。」
嬉しそうに語る近藤さんは、まるで子供を見守る父親のように思えた。…でも“相棒”はないと思う。
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