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私は、今。いわゆるリムジンに揺られている。
「まずは、ゲームマスターの零様。ロゼ様に会っていただきます。また、リタイアをなされた場合……それなりの代償がしょうじます。また、私のことは、アンブとでも御呼び下さい」
私は、訳も分からず相槌をうつ。車のガラスは、真っ黒く外が見えない。どうやら外の様子がばれては、困るようだ。つまり、脱走を考えさせないようにしてあるようだ。まあ、つまり島から出れば、警護は、少ないと。
「いえ、勿論人口島ですので島全体に温帯察知機器を付けさせて頂いております」
「……」
なんでもお見通しかよ。
「つきました。ロゼ様の屋敷です。」
「……」
無言にポーカーフェイスを駆使し、その大きい洋館入ると赤いソファーに足を組み、机の上には、ミルフィーユやミルクレープ。ブルマンジェにクリームブリュレにマカロン。ベリータルトにプリン。豪華で綺麗に磨かれた銀食器。白地に淡いライトブルーと金色のラインの入った見るからに高いカップ。黒い髪をソファーに綺麗に垂らし、その猫のように全てを見透かす深いブルーの瞳。ミルクに少量のハチミツを垂らしたようなクリーム色の肌は、絹のようにきめ細かく。脇なら腰にかけるラインは、とても滑らかで西洋人形。いあ、それ以上の美人が優雅にティータイムを過ごしていた。
「……いらっしゃい」
銀色の鈴を丁寧に鳴らしたかのような雑音の混じらない声は、本当に美しいソプラノを奏でた。
「あら、おだまりになってないで口をあけたらいかが?」
綺麗に磨かれた真っ赤な爪が彼女のぷっくりとした形の良い真っ赤な花弁の上に乗ると花弁は、すぐに三日月のような形に変わる。
「そんなに私は、美しい……?」
その声は、頭の奥底まで響き、私の脳を痺れさせる。
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