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編笠の下から現れたのは
右目に眼帯をしたポニーテールの少女であった。
笑う事を忘れた様な冷たい目をしている。
「女ぁ?!」
京次郎が素っ頓狂な声を出した。
「あぁそうだ、私は女だ。何か文句でも?」
若干声が高くなっている。
「いや、ねぇけど…
てっきり男かと思ってた。背ぇたけえし。ってか何いまさら声高くしてんだよ」
「元はこんなものだ。いつもは男のフリをしているからな。
このご時世、女の一人旅ほど恐いものは無い」
喋り方は作っている訳ではなく元かららしい。
編笠…もとい、少女は羽織っていたものを丁重に折りたたみ2人の間の席に置いた。
「女の一人旅が恐ぇやつが何でそんな格好してんだ」
少女は、今京都で流行りのひらひらプリーツ&レースのミニスカ着物を着ていた。
かなり流行に敏感なようだ。
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