保子という女

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「…本当にころすからね…」 保子は両手で刺身包丁を握り締めながら、ずっと俺をにらみ付けている。 俺は徹底的に無視することにした。 俺が反応しなければ保子は何も出来ないからだ。 「…本当にころすよ」 …無視無視 「…今からころすからね」 …無視無視無視 「…洋ちゃん本当にころされるよ」 …ほら、口調が弱々しくなってきた 「…ころされてもいいの?」 …疑問型になった …もうすぐ泣き出すな
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