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「手越っ待てってば!何処に行くつもりだよ!」
手越を追って
曲がり角を曲がろうとした時
ドン!!
「うわっ…いてて、
あっ!ごめんなさい大丈夫ですか……って片桐さん!?」
「あっ小山君!なんかまたぶつかっちゃったね…
それより!加藤君はどう?元気そう?」
優しい顔でどこか恥ずかしげに
笑っていたかと思うと
いきなり真剣な顔でしげの
様子を聞いてくれた片桐さんに
俺はさっき知った事実を話した
話し終わったあと、
片桐さんは自分の身内の
ことのように涙を流してくれた
「…こんなの残酷すぎるよね、
あたしだったらおかしくなってるかもしれないなぁ、辛い時とか楽しい時とか一緒に経験してきた仲間がどれだけ大事か……凄くわかるもん。」
片桐さんは遠くを見つめて
意味深そうに言った
その横顔は誰かを思い浮べて
いるような顔で見てる俺まで
胸が苦しくなる感じがした
きっと今片桐さんの頭の中に
浮かんでるのは他の誰でもなく
聖香ちゃんだろう
もし今聖香ちゃんが
いなくなったら
片桐さんはどうなってしまうのか少し不安になった
すると片桐さんが遠くを
見つめたまま口を開いた
「あのね、小山君
前々からどこかで分かって
たんだけど、聖香はね…」
「どういうことなんですか!!
そんな変な診断せずにちゃんと
調べてくださいよ!!」
「信じられないのは分かりますがまずは落ち着いてください!
患者さんの迷惑になるので!」
突然
廊下の奥の部屋から
2人の言い合う声が聞こえた
そのせいで片桐さんの話しが
途切れてしまった
でも言い合いはまだ続いていた
「しげがそんなことに
なるわけないじゃないですか!」
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